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特徴的な診療

脳神経外科

脳腫瘍

脳腫瘍には、神経膠腫・髄膜腫・下垂体腺腫・転移性脳腫瘍など多くの種類の腫瘍が存在します。通常これらの脳腫瘍に対して、必要に応じて手術を行い、組織診断により放射線治療や化学療法を組み合わせた集学的治療の必要性を検討します。脳腫瘍の種類・部位・大きさや患者さんの症状・年齢や体調を考慮して、患者さんにとって最善の治療方針を検討し治療します。


神経内視鏡手術

近年の外科手術には、患者さんの身体に負担の少ない手術が次々と導入されています。その一つに内視鏡手術があります。脳神経外科領域においても同様で、一部の疾患に対して従来の開頭手術よりも低侵襲な神経内視鏡手術が行われるようになりました。葛飾医療センター脳神経外科では、下垂体腺腫などトルコ鞍近傍の疾病、水頭症・脳出血・脳室内腫瘍や下垂体腫瘍に対して、日本神経内視鏡技術認定医が診療を行っています。


特発性正常圧水頭症

高齢化が進み特発性正常圧水頭症の患者さんは増加しています。特発性正常圧水頭症は、歩行が小刻みになり転びやすくなった、トイレに間に合わない、物忘れがすすんだ、という三つの症状に特徴がある病気です。約1週間の検査入院を行い、治療により症状の改善を期待できるかを判定します。その結果をふまえ患者さん、ご家族と相談しながら適切な治療方法をご案内します。
詳細に関しては、正常圧水頭症外来(毎週月曜午前)にお問い合わせください。


脊髄刺激治療

脊髄刺激治療は、なかなか治らない手足や体の疼痛で苦しむ患者さんに行っています。腰椎手術後、脊髄腫瘍、脊髄損傷、帯状疱疹など多岐にわたる疾病で難治性疼痛が生じますが、脊髄刺激治療により疼痛の緩和が期待できます。試験的に脊髄を刺激して治療効果を体感していただくことができます。
詳細に関しては、毎週月曜午前の脳神経外科外来にお問い合わせください。


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眼 科


加齢黄斑変性の治療

加齢黄斑変性は、さまざまな要因で網膜中心部に位置する黄斑(視力に最も重要な部分)が障害される疾患です。網膜後方の脈絡膜からの新生血管(脈絡膜新生血管)による滲出型加齢黄斑変性は、短期間で恒久的な視力障害が引き起こされるため、早期治療が必要となります。
近年、非侵襲的に黄斑部の断層像を撮像できる光干渉断層計 (OCT)やOCT血管撮像 (OCTA)による評価が、診断のみならず病態把握に必須となっています。脈絡膜新生血管の原因として、眼内の血管内皮成長因子(VEGF)の濃度上昇が大きく関与していることから、抗VEGF薬硝子体注射が治療の中心となっています。再発例や難治例では、抗VEGF薬硝子体注射と光線力学的療法による併用療法が行われることもあります。滲出型加齢黄斑変性の診療では以下の2点が重要と考えられています。
①再発・再燃率が高い疾患であることから、症状が不変であっても定期通院を続けること。
②両眼性が約20-30%に存在することから僚眼(病気のない眼)の視力が良好であっても疾患眼の治療を諦めないこと。
視力低下、ものや線が歪んで見える、視界の中心が暗いなどの症状が進行するようであれば、滲出型加齢黄斑変性が疑われるため眼科受診しましょう。

症状
加齢黄斑変性では、変視症 (ものや線がゆがんで見える)や視力低下・中心暗点 (視野の中心が見にくくなったり暗くなったりする)を訴えることが多く、比較的短期間でその症状は進行します。

検査
1. 視力検査
矯正視力が低下する。しかし脈絡膜新生血管が中心から離れている場合、視力は低下しない場合があります。
2. 眼底検査
黄斑部に眼底出血や浮腫などの滲出性変化が現れます。
3. 光干渉断層計(OCT)検査、OCT血管撮像検査
黄斑部の網膜断層像を非侵襲的に可視化する検査で、滲出性変化や脈絡膜新生血管の存在を捉えることができます。
4. 蛍光眼底造影検査 (フルオレセインおよびインドシアニングリーン)
脈絡膜新生血管の有無・範囲がはっきりし、確定診断に重要です。

抗VEGF薬硝子体注射の治療指針
大きく3つの方法で治療が行われています。
治療法1.
初回治療後、悪化した場合に適宜投与する治療法で、1回/月を3回投与(導入期治療)その後、OCT検査で滲出性変化が再燃していれば再投与を計画する治療法。
治療法2.
計画的投与(受診毎に投与)法の1つで、1回/月を3回投与(導入期治療)その後、症状・状態に関わらず2ヵ月毎に1-2年間投与し続ける治療法(維持期治療)。
治療法3.
計画的投与(受診毎に投与)法の1つで、1回/月を3回投与(導入期治療)その後、滲出性変化が存在すれば1回/月を継続、滲出性変化がなければ投与間隔を(6-8週へ)延長する治療法で、延長する最大期間は、2-3ヵ月。 治療法1は、投与回数は計画的投与法より少なくなるが、悪化してから治療までに間隔が空いてしまう(再治療が遅れる)欠点がある。治療法2は、常に再燃しにくい状況をつくるが、不必要な投与を行う可能性がある欠点がある。治療法3は、治療法1と治療法2の欠点を補う方法で最近では多くの施設で取り入れられている治療法である。治療の経過中、抗VEGF薬の治療回数を減らす目的で、PCVと診断されている場合、光線力学的療法との併用療法が行われる場合があります。

抗VEGF薬には、現在、ルセンティス、アイリーア、ベオビュ、センジュ、(ファリシマブ)の5剤が存在します。各薬剤には、金額も含め、一長一短があります。お気軽にご相談ください。

図1
偽手術(注射未実施)群と抗VEGF薬治療群における視力の経過 (文献を改編)



図2
OCT血管撮像、矢印が示した白いもやもやが脈絡膜新生血管



図3
抗VEGF薬硝子体注射前後の眼底写真および光干渉断層計の変化 (自験例)


低侵襲緑内障手術

緑内障に対する基本的な治療は点眼治療です。しかし、点眼で眼圧がコントロールできない方や、認知症やアレルギーで点眼ができない方には手術が必要になります。近年、小さな創口から行える、低侵襲緑内障手術(MIGS:micro invasive glaucoma surgery)が注目を集めています。当院でも、眼内の房水流出路を広げる眼内線維柱体切開術や、小さなドレーンを入れて房水流出を促すiStent inject W ® 挿入術を行っています。これらの手術は白内障手術と同時に行うことができ、合わせて15〜20分程度です。従来の緑内障手術より手術時間が短く、眼に対する負担も少ないですが、これまでの手術と同等の成績を得られています。多くの方が術後に点眼本数が減少し、不要になる方もいます。
緑内障の状態によってはこの手術が適さない方もいますが、一人ひとりの緑内障の状態に応じた適切な治療法を提案いたします。


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外 科

乳癌手術に対する乳房再建術

当院では乳癌に対する乳房切除を行う際に、希望があれば形成外科と合同で乳房再建術を行っています。詳細に関しては乳腺専門医師(川瀬、布施)の外来でお問い合わせください。


局所進行癌に対する術前放射線化学療法

当院では局所進行直腸癌、膵癌に対して、無再発生存率および全生存率アップを期待した、術前放射線化学療法を導入しております。詳細に関しては、直腸癌に関しては大腸専門医師(小川,石山,今北,橋爪,古謝)の外来で、膵癌に関しては肝胆膵専門医師(薄葉、岩瀬、中瀬古)の外来でお問い合わせください。


直腸脱に対する修復術及び慢性便秘症に対する手術療法

直腸脱は高齢者、特に女性に多い病気で、社会の高齢化にともない増加しています。直腸が脱出すると活動が制限されるとともに、肛門のしまりが悪くなり、便漏れをきたすことも多くなります。当院では、直腸脱の標準術式としてlaparoscopic ventral rectopexy(腹腔鏡下に腹側の直腸を固定する方法)を用いていますが、 (1)症状の程度、(2)脱出の程度、(3)患者さんの全身状態を考慮し、最終的に術式を決定しています。また、慢性便秘症により著しくQOLの低下した患者さんを対象として、大腸通過遅延型・ 便排出障害に対する患者さんの満足度を向上させ、QOLを改善することを目的として外科的手術療法も取り入れております。
詳細に関しては、大腸専門医師(小川,石山,今北,橋爪,古謝)の外来でお問い合わせください。


膀胱尿管逆流症に対する超低侵襲治療 −膀胱鏡下DefluTM注入療法

膀胱から尿管に尿が逆流し、尿路感染を繰り返すお子さんがいます。以前は膀胱を切開し逆流を防止する目的で尿管と膀胱をつなぎなおす手術が一般的でしたが、近年、膀胱鏡下にDefluxTM(ヒアルロン酸ナトリウムとデキストラノマービーズの二種類の混合物)を尿管口の周りに注入するという、低侵襲な治療法が普及しつつあります。2泊3日での治療で、おなかを切る必要もありません。詳細に関しては、小児外科専門医師(金森)の外来でお問い合わせください。

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小児科

食物経口負荷試験について

食物アレルギーの診断には、医師が食事内容を確認し特異的IgE抗体検査で推測することができますが、確定診断には食物経口負荷試験が必要です。食物経口負荷試験は、アレルギーが疑われる食物を実際に食べて、症状を観察する検査です。①食物アレルギーを診断する②食物アレルギーが治ったかどうか(耐性獲得)を確認する、といった目的で行います。この検査によって、どのくらいの量を食べたらどんな症状が出るかを直接確認することが出来ますが、重篤な症状が出る可能性もあるため病院で十分な準備を整えて実施する必要があります。
当院では年間約100件の入院食物負荷試験を行っています。検査方法は、負荷食品を数回に分割して、少量から次第に増量して摂取します。途中で症状が確認されたら検査陽性と判定し、摂取を中止して必要な処置を行います。症状がなければ陰性と判定します。基本的に1泊2日入院で、検査翌日まで症状を観察し、問題が無ければ退院となります。


アトピー性皮膚炎の最新治療について

当院のアレルギー外来では、アトピー性皮膚炎に対してスキンケア中心の治療を目標に、ステロイド外用薬の副作用を最小限にするためのプロアクティブ療法を積極的に行っています。プロアクティブ療法は、再発の多いアトピー性皮膚炎で推奨されている方法です。十分な範囲にステロイド外用薬を塗り、軽快した後も頻度を減らしながら治療を継続します。保湿薬を上手に使い、よりステロイド外用薬の使用量を減らしていきます。
そして、副作用が少ない外用薬、タクロリムス軟膏(プロトピック)、JAK阻害薬(コレクチム)、PDE4阻害薬(モイゼルト)を併用し、既存治療で効果が不十分な方には、内服JAK阻害薬(リンヴォック)、注射薬の抗IL-4/13受容体抗体(デュピクセント)、抗IL-31受容体A抗体 (ミチーガ)なども使い、より副作用が少ない、個別の適切な治療を目指しています。



小児腎生検について

蛋白尿が持続し慢性腎炎が疑われる場合や治療抵抗性のネフローゼ症候群などに対し、小児科専門医・腎臓専門医による腎生検(4泊5日入院)を行っています。小児の腎臓疾患において不可欠な検査になり、具体的には年7−10件の腎生検を行っています。経皮的腎生検では超音波装置で針が腎臓に当っているかどうかを観察しながら背中からボールペンの芯程度の太さの針を腎臓に刺して組織を採取するため、検査に伴う切り傷は背中の長さ5mm半程度ほどで、ほとんど跡は残りません。局所麻酔(あるいは全身麻酔)で行うため消毒や麻酔などの処置を全て含めて1時間程度で終了します。


こどもの消化器内視鏡検査について

当科では都内でも数少ない,小児に対する消化器内視鏡検査(胃カメラ,大腸カメラ,小腸カプセル内視鏡検査など)を行っています.小児の内視鏡検査は,こども特有の疾患群,苦痛の軽減(鎮静・麻酔)など成人と同じには考えられないため,小児を専門とする医師による検査が望ましいとされています.当科では基本的には小児科医が内視鏡検査を担当します.また,麻酔も必ず検査担当とは別の小児科医が担当し,偶発症・合併症への対応に備えています.必要に応じて内視鏡科や麻酔科と協力して診療に当たる体制も整えています.
お子様にとって苦痛のない検査と安全性を優先しているため,基本的には入院(基本1泊)で行なっています.詳細な日程に関してはご相談ください.
これまでも,長年消化器症状に悩まれているお子様の診断・治療に役立ててまいりました.また,今まで敬遠されがちであった内視鏡検査ですが,当科で速やかに検査・診断をできたため重症化する前に治療を開始できたお子様もいらっしゃいます.


  • *対象となるお子様の症状
  • ・繰り返す腹痛・嘔吐・下痢
  • ・長引く血便・黒色便
  • ・原因不明の体重増加不良・体重減少・成長障害
  • ・原因不明の繰り返す口内炎・痔瘻 など

  • *令和5年度の診療実績(18歳未満):のべ34件
  • ・上部消化器内視鏡(食道・胃・十二指腸):16件
  • ・大腸内視鏡(大腸):16件
  • ・小腸カプセル内視鏡検査(小腸):2件

上部内視鏡検査(胃カメラ)の流れ

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の流れ

小腸内視鏡検査(小腸カメラ)の流れ

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腎臓・高血圧内科

診療科紹介(腎臓・高血圧内科)

腎生検

腎臓病はほとんど無症状のまま透析になってしまう恐ろしい病気です。そうなる前に早めの診断、治療が重要です。
ほとんどの腎臓病では正確な確定診断に腎生検が必要です。
蛋白尿が持続している患者さんで、これまで腎生検を行ったことのない方は、ぜひ一度自分は腎生検の適応がないのか、主治医に御確認ください。
適応がある場合、葛飾区で唯一の腎生検実施病院である当院に紹介状を書いてもらってください。
最近の腎生検は超音波で腎臓を確認しながら15分くらいで安全に実施できます。
当院では毎年100名以上の患者さんが腎生検を受けるため紹介されてきています。
知らない間に進行する腎臓病、手遅れにならないうちに早めの受診をお勧めします。


写真、超音波ガイド下腎生検の実際



腹膜透析(CAPD)

血液透析では心臓に負担となるシャントを作成し、週3回通院して、太い針を2本刺して毎回痛みに耐えなければいけません。
これに対して自宅で施行できる腹膜透析(CAPD)は体に優しい透析方法と言えます。
当院は国内でも有数の腹膜透析(CAPD)実施病院で、20年以上続けている方も含め、80例以上の患者さんがいらっしゃいます。
腹膜透析(CAPD)の場合、良好な治療成績達成には熱心な医師、看護師が不可欠なため、実施可能な病院はごく一部に限られています。
実際の方法は、おなかに入れた柔らかいカテーテルを介して体温まで温めた透析液を一日に1−4回交換します。血液透析と違い痛みがない、透析中も自由に動けると好評です。
まだ尿の出ている腎不全患者さんはぜひ御相談ください。

図、腹膜透析の方法

外来血液濾過透析(on-line HDF)

最新の透析方法を実施しています。
眺望が良く広々とした当院での通院透析を御希望される方はご相談ください。

写真、透析室からの中川、および桜並木の眺望

写真、窓側の透析用ベッドと透析機器

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リハビリテーション科

上肢および下肢痙縮に対するボツリヌス毒素治療

脳血管障害(脳出血や脳梗塞)の後遺症として、いろいろな麻痺が残ることがあります。麻痺により筋緊張が高くなる(この状態を痙縮と呼びます)と、関節のこわばりや痛み、関節拘縮などが生じ、着替えや整容動作、歩行などの日常生活動作が障害されます。ボツリヌス毒素は、選択的に個々の筋肉の緊張を低下させることができる外来治療で、一度治療すると3か月近く効果が持続します。次のような症状でお困りの方がいらっしゃいましたら是非ご相談ください。

  • 痙縮により関節や筋肉に痛みがある。
  • 着替えがしにくい。(肩が上がらない、脇が開かない、肘が伸びない)
  • 手や指が洗えない。(指が開かない)
  • 歩くと足の指が痛い。(足首が伸びてしまう、足指が曲がってしまう)


高次脳機能障害の評価とリハビリテーション

高次脳機能障害とは、記憶障害、注意障害、遂行機能障害など、頭部外傷や脳血管障害などの脳の損傷に伴って生じる認知機能の障害で、手足の麻痺と違って、周囲からはわかりにくい障害です。歩くこと、身の回り動作をすることは出来るけれど、従来できていた仕事がうまくできない、集中できない、すぐに疲れる、他人とうまくやっていけない、などの症状が脳の損傷後に出現します。これらの障害に対応するためには、まずはどんな認知障害が残っているのかを正確に評価することが必要で、その上で生活再建のお手伝いをしています。

内視鏡部

早期癌の治療 〜内視鏡的粘膜下層剥離術〜

早期癌の確立された治療として内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD: Endoscopic submucosal dissection)があります。
これは内視鏡先端から小さなメスを出し病変を切除するもので、おなかを切る外科手術と違って、内視鏡を通して癌を切除するため体表に傷がつきません。食道、胃、大腸の早期癌に対して行われる治療で、入院期間も1週間程度であり、術後2日程度で食事が可能です。

図1:胃ESD
図2:大腸ESD

胆膵内視鏡検査、治療

胆嚢、胆管あるいは膵臓の病気を診断・治療するために、口から内視鏡を挿入して行う検査治療です。
カメラが内視鏡の横に付いた専用の内視鏡や超音波内視鏡専用機など特殊な内視鏡を用いて行います。また胃全摘術後の患者さんに対しては、距離が長くなるため小腸鏡を用いることもあります。


胆管・膵管の模式図

十二指腸乳頭部

内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)

胆管と膵管の十二指腸開口部を十二指腸乳頭部といいます。
挿入した専用のスコープからカテーテルを出してここに差し込むことで、膵管や胆管に造影剤を注入しレントゲン撮影を行う検査を診断的ERCPといいます。また、胆管炎や総胆管結石、腫瘍などに対してこれに引き続いて行う治療的ERCPがあります。
現在では画像診断の発展により9割が治療的ERCPとなっております。治療的ERCPの主なものとしては、総胆管内の結石を乳頭部から摘出するために、内視鏡下に電気メスで十二指腸の胆汁の出口を切開する内視鏡的乳頭活約筋切開術(EST)と風船で十二指腸乳頭の胆汁の出口を拡張する内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)、総胆管の狭窄や結石により胆汁の排泄が悪くなっている部位に対してプラスチックや金属のステントを挿入する内視鏡的ステント挿入術(EBD)、乳頭部の腫瘍を切除するパピレクトミーなどがあります。


ERC胆管造影

肝門部狭窄症例に対するプラスチックステント挿入

肝門部狭窄症例に対する金属ステント挿入

超音波内視鏡(EUS)

超音波内視鏡はスコープの先端に超音波振動子がついた特殊な内視鏡を口から胃・十二指腸に挿入し、胆嚢、胆管、膵臓を観察する検査です。
体外式の超音波検査では観察しにくい部位の観察や、病変のより鮮明な画像を得るために行います。鉗子孔から細い針を出して消化管の外の病変から組織を採る超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)も行っています。EUS-FNAで組織診断が可能になったことは一番の利点となっています。この手技を利用して膵嚢胞、膵膿瘍などのドレナージ治療も行うことができます。


穿刺時

腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS; Laparoscopic endoscopic cooperative surgery)

胃粘膜下腫瘍に対する外科的手術は時に正確な腫瘍の辺縁を腹腔側から視認することが困難であり、過剰な胃切除によって大きな胃の変形をきたすことがあります。また、腫瘍の場所によっては胃全摘になることもあります。当院では、外科と内視鏡科が協力し、腹腔側からの腹腔鏡手術と管腔側からの内視鏡手術を同時に行うことで、必要最小限の胃の切除を行なっております。

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