冠動脈に有意な狭窄の無い狭心症や心筋梗塞
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冠動脈閉塞を伴わない心筋虚血(INOCA)、冠動脈閉塞を伴わない心筋梗塞(MINOCA)当院では2023年9月より冠動脈閉塞を伴わない狭心症の精査として、微小循環障害(CMD:coronary microvascular dysfunction)、冠動脈攣縮の検査を積極的に行っています。 |
INOCA(冠動脈閉塞を伴わない心筋虚血)INOCAとは、Ischemia with Non-Obstructive Coronary Artery diseaseの略で、心臓カテーテル検査や心臓CTで目視できる冠動脈(心臓を栄養する血管)に閉塞や狭窄がない狭心症のことです。INOCAの患者さんは、普段から胸部圧迫感や息切れなどの症状に悩まされているにも関わらず、検査をしても冠動脈に狭窄が見つからないため正常と診断されてしまうことがあります。INOCAの原因としては、以下のように冠微小血管障害と冠攣縮性狭心症が含まれます。 1、微小血管障害:もともと心臓には目に見える心外膜血管の他に、微小冠動脈が多数存在することが知られています。この目には見えない血管の血流障害(冠微小循環障害)によって狭心症をきたす病気です。 冠攣縮性狭心症とは、冠動脈が一時的に痙攣することで、冠動脈が収縮し血流が悪くなることによって冠動脈の内腔が一時的に狭くなる、もしくは閉塞して数秒から数分程度の胸痛を引き起こす狭心症です。喫煙・飲酒・脂質異常症・ストレスなども原因とされており、動脈硬化との関連性もあると言われています。症状の特徴としては、夜間や早朝の安静時や朝方、もしくは早朝労作時に胸の中心あたりに胸痛が起こりやすい事、安静にしていても動悸・息切れがする事、圧迫感がある事、冷や汗が出る事等があげられます。 INOCAの診断ですが、胸部症状で御相談いただいた場合、狭心症以外の心疾患の有無の精査や、心疾患以外の胸部症状を発症する疾患(肺疾患や消化器疾患等)の可能性も考え対応します。 そのうえで、明らかな原因が無ければINOCAの可能性を考えます。 日本冠微小循環研究会HPより引用改変 冠動脈に有意狭窄や閉塞、機能障害を呈さない方に比較してINOCAの予後は悪いとされており、特に微小循環障害と冠攣縮性狭心症を合併した患者の予後は不良であることが報告されています。その為、しっかりと診断を付ける事が大事であると考えられます。 |
MINOCA(非閉塞性冠動脈疾患に伴う心筋梗塞)MINOCAとはMyocardial Infarction with Non-Obstructive Coronary Arteryの略であり、心筋梗塞の徴候がありながら、冠動脈造影検査で冠動脈に有意な狭窄(通常、50%以上の狭窄)が認められない病態です。 |
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