診療内容・専門分野
消化器、肝臓疾患の早期発見、治療
特色
当科では大学病院としての種々の設備を使用し、外科、放射線科、内視鏡部、病理部、血液浄化部などとの連携体制により、消化器疾患全般に対応しています。(日本消化器病学会認定施設、日本内視鏡学会認定指導施設)。また地域の中核病院として近隣の診療所、病院との連携を積極的に進めています。
令和五年は、新型コロナウイルス感染症患者も減り、令和元年とほぼ同様の診療を継続できました。これは、スタッフ、コメディカルの協力により対応できたことと感じ深く感謝しています。
患者数・症例数・生検数・手術数・治療成績等
▼令和五年実績
外来患者
潰瘍性大腸炎 |
502人 |
クローン病 |
115人 |
ベーチェット病 |
26人 |
自己免疫性肝炎 |
105人 |
原発性胆汁性胆管炎 |
162人 |
自己免疫性膵炎 |
22人 |
入院患者数 :1,619名/年
入院実績(主なもの)
治療別 |
症例数 |
大腸ポリペクトミー(ESD含む) |
546例(内ESD43例) |
肝癌 |
98例(TAE63例、RFA6例) |
膵癌 |
47例 |
炎症性腸疾患 |
49例(UC18例、CD25例) |
食道(食道静脈瘤を含む)疾患 |
59例(内ESD6例) |
胃十二指腸疾患 |
103例(内ESD31例) |
膵臓疾患(膵癌以外) |
57例 |
胆道疾患 |
251例 |
内視鏡的胆道ステント留置術・ENBD |
189例・21例 |
内視鏡的胆道結石除去術 |
2例 |
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専門外来
土曜:炎症性腸疾患外来
特殊検査・高度先進医療
肝臓疾患 |
B型慢性肝炎は、genotype、肝線維化の評価、ウイルス量等より評価し、核酸アナログ(エンテカビル、テノフォビル)を投与すべきか、ペグインターフェロン治療をすべきかを判断し、HBV DNAの陰性化、可能ならHBs抗原の消失を目指しています。C型慢性肝炎は慢性肝炎、代償性肝硬変(Child A)であれば積極的にインターフェロンフリー治療(マヴィレット®、エプクルーサ®)を行なっています。現時点で主として使用されているマヴィレット®については、2021年10月時点で88例と豊富な経験があります。肝臓癌に対しては、エコー、CT、MRI、血管造影(CT anigio)などの総合的な画像検査によって早期発見に努めており、ラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈塞栓術(TACE)、動注療法(TAI)、ソラフェニブ、レンバチニブ、アテゾリズマブ+ベバシズマブなどの薬物療法、経皮的エタノール注入療法(PEIT)などの治療を治療アルゴリズムを基に行っています。また、自己免疫性肝炎・原発性胆汁性肝硬変は、先先代の戸田剛太郎元教授が専門としており、当院でも診断治療に積極的に取り組んでいます。
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胆膵臓疾患 |
エコー、CT、MRI、EUS、ERCPなどの画像診断により、内視鏡的治療(EST,ERBDなど)、外科的治療、化学療法などを選択し治療を行なっています。 |
消化管疾患 |
消化管のポリープ、早期癌に対しては粘膜切除術(EMR、ESD)、レーザー(APC)照射などの内視鏡的治療を行なっています。食道胃静脈瘤に対しては、EUSやMDCTにより血行動態を診断した後、内視鏡的硬化療法(EIS)、結紮術(EVL)、BRTOなどの治療を選択しています。また、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)には看護師、栄養士、薬剤師、臨床工学技士、ソーシャルワーカーらによるチーム医療を行っており、5-ASA製剤の経口剤または坐剤あるいは注腸剤による治療を基本として、免疫調節薬(アザチオプリン、タクロリムス、サイクロスポリン)、白血球除去療法(GCAP)や抗TNFα抗体(レミケード®、ヒュミラ®、シンポニー®)、抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体(ステラーラ®)、インテグリン阻害剤であるベドリズマブ(エンタイビオ®)、ブデソニド腸溶性徐放錠、カロテグラストメチル(カログラ®)、JAK阻害薬であるトファシチニブ(ゼルヤンツ®)、フィルゴチニブ(ジセレカ®)、ウパダシチニブ(リンヴォック®) などの治療も積極的に取り入れ、入院の必要となる状態が非常に少なくなってきています。
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主な医療機器・設備
CT、MRI、肝硬度測定・肝脂肪化の定量測定可能な腹部エコー、血管造影(CT angio)、各種電子内視鏡(EUS)、治療放射線設備など
救急、時間外診療の対応
内科当直医が対応
関連リンク
東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科ホームページ
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