診療内容・専門分野
当科は日本耳鼻咽喉科学会専門医研修施設に認定されており、多摩地区の総合病院として、耳鼻咽喉科指導医が2名、専門医が4名、准診療医員が2名の計8名のスタッフ(内1名が時短勤務)により診療を行っています。外来診療では急性疾患(炎症性疾患、めまい)から慢性疾患(慢性中耳炎、慢性副鼻腔炎、加齢性難聴、睡眠時無呼吸など)、さらには頭頸部の良性腫瘍から悪性腫瘍まで、各専門領域に幅広く対応しております。2021年度の1日平均外来患者数は65人で、月平均紹介患者数は175人でした。診療日は月曜から土曜日で、受付時間は朝8時から11時半までとなっております。原則として初診は紹介予約制とさせて頂いているため、医療連携(FAX・WEB)にて予約された方、紹介状を持参された方を優先しております。また、火曜・木曜日は手術日のため交代で初診担当医が診療を行っております。
耳鼻咽喉科・頭頸部領域全般に対する手術症例および炎症性疾患やめまい、突発性難聴、顔面神経麻痺などの急性疾患を中心に精査、加療を行っております。また頭頸部悪性腫瘍に対する手術に加え、化学放射線療法や分子標的薬・免疫療法などによる薬物治療も行っております。手術は鼓室形成術や人工内耳・人工中耳、植込型骨導補聴器などの耳科手術、内視鏡下鼻副鼻腔手術や外鼻形成などの鼻科手術、口蓋扁桃摘出術などの口腔咽頭手術、喉頭微細手術などの喉頭手術や頸部腫瘍摘出術(良性・悪性)など多岐に及んでおります。主要な手術件数(外来局所麻酔手術含む、左右別)として2022年度は耳科手術78件、鼻科手術506件、口腔咽頭手術52件、喉頭手術16件、頭頸部腫瘍手術83件、異物摘出術86件でした。
特色
当院では以下の領域の診療に力を入れております。
- ①
中耳領域:慢性中耳炎や中耳真珠腫、側頭骨頭蓋底疾患に対する手術治療を行っております。特に中耳真珠腫は再発防止、聴力改善のため進展度に応じ術式を細かく分けつつ、より低侵襲な内視鏡下耳科手術も積極的に行うよう努力しております。
- ②
内耳領域:突発性難聴に対する鼓室内ステロイド投与や外リンパ瘻に対する手術治療などを行っております。加齢性難聴なども適切な補聴器適合を行い日常生活向上の支援をしております。
- ③
鼻・副鼻腔領域:慢性副鼻腔炎や副鼻腔疾患に対する内視鏡下副鼻腔手術を積極的に行っており、慈恵医大全体でも最も件数が多い手術の一つとなっております。また、鼻閉や外鼻変形に対する外鼻形成・鼻弁手術にも積極的に取り組んでいます。安全かつ高度な手術を提供するように心がけております。また、季節性・通年性アレルギーに対する舌下免疫療法(スギ・ダニ)も行っております。
- ④
頭頸部悪性腫瘍領域:全国でも数の少ない、頭頸部がん専門医がいる施設です。頭頸部がん全般の治療が行えますが、マンパワーと設備の関係上、遊離皮弁を必要とする再建手術や一部の頭頸部癌の放射線治療については、慈恵医大附属病院(本院)やがん専門病院(がん研有明病院やがん研究センター東病院など)と密接に連携をとりながら治療にあたっております。
患者数・症例数・手術数等
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2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
外来患者数(1日平均) |
76 |
79 |
61 |
65 |
70 |
入院患者数(1日平均) |
18 |
20 |
13 |
15 |
15 |
紹介患者数(1月平均) |
187 |
201 |
145 |
175 |
188 |
手術件数 |
515 |
598 |
354 |
440 |
360 |
外来担当医表
第三病院 耳鼻咽喉科 外来担当医表
救急・時間外診療の対応
救急診療および時間外を含め随時受け付けています。火・木曜日は夜間の当直医が常在し夜間救急診療を行っています。その他の曜日に関してはオンコール体制で対応しております。また年に10回程度休日入院診療当番病院として三多摩地区の11病院と輪番制で救急診療を担当しております。
関連リンク
・慈恵医大耳鼻咽喉科学講座ホームページ
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