診療内容・専門分野
【診療科の特徴と専門分野】
最高かつ最善の医療を患者さんに提供するため、病気を臓器別に分けて診るのではなく、臓器を統合し、患者さんの背景因子も含めて一人の’病める人’として診断・治療する全人的医療の実践を目指して、外来および入院患者さんの診療に当たっています。平成12年4月に新設された診療科で、大学内部の組織機構としては平成16年4月から内科学講座に属する9診療科の1つとして機能しています。
総合診療部というと、専門領域はないと考えられがちですが、私たちは“general Medicine(総合内科)”という専門分野を持った内科医として診療と教育にあたるべきだと考えています。実際の診療に当たっては、「患者さんの病気を診療する」のではなく、「病気を持った患者さんを診療する」というコンセプトを大切にしたいと思っています。また、大学附属病院としての医師育成の観点からは、学生・若手医師に対して“全身を統合した診方を習慣づけさせる場”ひいては“generalist(総合診療医及び総合内科医) を育成する場”となるべく努力したいと思っています。
【診療内容】
外来診療 |
初診外来では、罹患臓器を特定できない患者さん、特に不明熱、長期にわたる微熱、発疹、関節痛、リンパ節腫脹、全身倦怠感、原因不明の食欲不振、体重減少などを主症状として来院された患者さんを中心に診療し、必要があれば診断確定後に該当する臓器別診療科での治療とするシステムをとっています。
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入院診療 |
内科の他8部門、内科以外の各科との連携を重視し、患者さんを中心においた診療を常に心がけています。どのような患者さんを診療するかについては、下記に示した(1)〜(4)に該当する場合を中心に入院診療を実践しています。
1) |
罹患臓器を特定できない場合 |
2) |
罹患臓器が複数あり、優先診療すべき臓器が複数である場合 |
3) |
現在、総合診療部外来で診療中で、特殊治療手技を要しない場合 |
4) |
患者さんの背景要因、環境要因などから総合診療部での診療が適当と思われる場合 |
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感染管理チーム、栄養サポートチーム、緩和医療チーム、認知症ケアチームなど院内横断チームにも参加し活動中です。令和6年から緩和ケア病床を10床に増床し、院内外からの依頼を受けています。
患者数・症例数・生検数・手術数・治療成績等
入院診療:
令和5年度の入院患者総数は381例で、1日平均15例、平均在院日数は14.4日でした。 入院患者の平均年齢は73歳、75%が軽快退院し、院内転科は9%、転院は4%でした。入院病名を罹患臓器で分類した結果では、感染症12%、呼吸器疾患18%、膠原病・リウマチ疾患14%、消化器疾患4%、循環器疾患2%で緩和医療入院が11%、その他が31%でした。
外来診療:
令和5年度は、週に6日(15単位)の通常外来、月6回の初診外来で1日平均40例の診療を行いました。
外来担当医表
第三病院 総合診療部 外来担当医表
通常外来は全て予約診療です。 |