大腿骨頚部・転子部骨折
【大腿骨頚部・転子部骨折とは】
大腿骨頚部・転子部骨折は股関節の付け根の骨折で、骨折部位によって頚部骨折と転子部骨折に分類されます。発症の原因は転倒が最も多く、年齢は70歳を過ぎると急激に増加します。高齢者数の増加とともに、大腿骨近位部骨折受傷者も増加しています。男性よりも女性に多く、骨粗鬆症などで骨がもろい状態で起こりやすくなります。当病院での治療は整形外科による手術療法(人工骨頭全置換術、骨接合術など)と保存療法があり、年齢や骨折部位、転位の有無により医師が判断をします。
【一般的なリハビリテーション(PT)の流れ】
整形外科や病棟と連携して、骨折により寝たきりや身体機能が低下しないように、手術前もしくは術後早期から筋力トレーニングや関節運動などを行います。手術をしない場合でも状態に合わせて適宜リハビリテーションを行います。
【実績
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当病院では、1年間におよそ50〜70人の大腿骨近位部骨折の方がリハビリテーションを行っています。
年齢層、男女比は以下のグラフの通りで、70代以降の女性に多い傾向です。骨折型は、頸部骨折が全体の6〜7割を占めます。
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【取り組み】
効果的なリハビリテーションを提供できるように、患者さんの機能評価の結果を集計しています。起き上がり動作や立ち上がり動作などの基本動作能力をはじめ、各種バランス能力の評価や、転倒状況調査、オリジナルの評価などがあります。
◆転倒状況調査
大腿骨頚部・転子部骨折を受傷した患者さんの約10%は5年以内に再度骨折をしていると言われていますので、転倒予防策は重要です。当病院では、どこで、どんな動作で転んでしまったかを調査し、転倒を防ぐための環境調整や、練習内容の考案に役立てています。
転倒は、屋外では歩行中に路面につまづいたり、何かとぶつかってよろめくことが多いようです。屋内は、慣れているはずの自宅内で転ぶことも多く、立ち上がり時に力が抜けてしまい転んでしまう方もいます。