1.本学がんプロフェッショナルの概要
東京慈恵会医科大学は、文部科学省がんプロフェッショナル事業(以下、「がんプロ」という)の連携大学のひとつとして加わり、大学院医学研究科医学系専攻博士課程、看護学専攻博士前期課程におけるがん研究者の人材養成を推進する。がんプロでは、①がん治療を支える多領域人材養成コース(博士課程、看護学修士課程)、②がんデータ科学推進人材養成コース(博士課程)、③がん治療イノベーション人材養成コース(博士課程)の3つのコース(がんプロ3科目)を設け、がん研究の大学院生を受け入れる。
コース加入の大学院生は、学位論文はがん研究に関するテーマとし、①e-learningによるがんプロ3科目のうち1科目以上の受講、②大学院連携がんチーム医療ワークショップへの参加の2点と学位論文の審査に合格することが必要となる。
2.がんプロ事業のe-learning科目について
がんプロ事業のe-learningでは次の3科目の選択カリキュラムがある。1科目以上を受講する。
1)がん治療を支える多領域養成コース
包括的緩和ケア、がん治療支持療法(副作用対策、高齢者の合併症対策)に携わる領域学問の一通りの知識を有し、連携の重要性と方法を学び、これらチームのリーダーとなる資質を養成する。
2)がんデータ科学推進人材養成コース
①ビッグデータである臨床データ、②がんゲノム情報やリアルワールドデータ、③医療画像や動画などのデジタルデータを解析し、診断や治療の補助となるAI等の研究開発ができる人材を養成する。
3)がん治療イノベーション人材養成コース
分子標的薬やコンパニオン診断薬、遺伝子治療薬等の創薬研究や新たながん治療法の開発、CAR-T療法や免疫チェックポイント阻害薬等の免疫療法などを担う人材を養成する。
3.4大学院連携がんチーム医療ワークショップについて
大学院連携がんチーム医療ワークショップは、昭和大学、星薬科大学、上智大学、本学の4大学院が連携し、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、臨床心理士が参加する多職種連携の教育プログラムである。毎年9月ころ土日2日間で4大学院の院生が参加し、シナリオベースのディスカッション、プレゼンテーションを行う。
4.国立がん研究センターとの連携について
本学は、国立がん研究センターとの研究指導の連携を行っている。双方の自主性を尊重しつつ、がん医学教育・研究の一層の充実を図る。がんプロコースの大学院生は、研究テーマにより、国立がん研究センターで研究指導を受けることがある。
5.がんプロコース大学院生修了後の専門医・認定医について
がんプロコース大学院を修了すると、がん治療認定医(日本がん治療認定医機構)・血液専門医(日本血液学会)・がん薬物療法専門医(日本臨床腫瘍学会)・放射線治療専門医(日本放射線腫瘍学会・日本医学放射線学会共同認定)・日本緩和医療学会専門医(日本緩和医療学会)を申請するにあたり、臨床研修としてカウントされる優遇措置を受けられる場合がある。専門医・認定医の制度の動向により変更されるので、申請する際は各自で学会の事務局にご確認ください。