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平成18年度の事業概要 |
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平成18年度は、これまで整備してきた大学運営基盤の上に、中・長期事業計画の基本方針に則り、具体的な事業計画を立てて実施することを基本理念として、学校法人慈恵大学の管理・運営、教育・研究、診療・医療安全に関する以下の事業を行った。
事業計画の基本方針は、(1)社会のニーズに応えることのできる医療人育成を目指し、卒前・卒後教育の改善を推進すること、(2)臨床を支える特色ある研究を振興するために大学院をはじめとした研究の振興と研究費獲得の改善を図ること、(3)附属病院では安全で質の高い医療を提供し患者サービスの向上を図るための計画を策定すること、(4)特色ある診療と4附属病院の機能分化を推進し、4附属病院間の連携と各附属病院の特色を出すこと、(5)健全な財政基盤を築くために経費の見直しと医療収入の増収を図ること、(6)青戸病院の新築(平成20年度着工)と本院外来棟建築(平成23年度着工)など新しい建築計画に向けてプロジェクトチームを立ち上げ具体的な計画を立てることなどであった。
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1. |
法人運営に関する計画 |
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- 1)法令遵守の精神の徹底
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- 内部監査室が中心となり公的補助金の監査を実施し、公的資金の適切な使用の確認と指導を行った。
- 本学の公益通報制度を広報するため携帯用カードを作成し、全教職員に配布し周知徹底を図った。
- 個人情報保護に関するシンポジウムを開催した他、各種事例をオールユーザーメールで教職員および学生に配信し、継続的に注意喚起を行った。
- 2)医療安全管理の推進
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- 4付属病院における医療安全管理体制を多様な視点から点検・評価するため、東京大学と早稲田大学の人間工学研究室と共同研究に取組み成果を上げた。
- 医療安全に関する定期的なリスクマネジメント・シンポジウム、医療安全管理と倫理のワークショップ、医療安全週間などを開催した。
- 各付属病院長が医療安全管理に関して迅速な対応が出来るように、病院長管理の医療安全管理予算を設け、有効に活用した。
- 3)安定した財政基盤の整備
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- 人件費抑制に向けた業務改善、効率的な要員配置による職員数の純減についての検討を開始した。また労働生産性を高めるために就業時間を見直した。
- 診療報酬のマイナス改訂を補完するため、新看護加算を4付属病院で算定できるよう看護師確保に取組み成果を上げた。また、医療収入予算を年度途中で見直し、増収対策に積極的に取り組んだ。
- 学内横断的タスク・フォースの結果をイントラで公開し、情報を各部署で共有できるようにした。また、タスク・フォースを全学的に拡大し推進した。
- 4)人材育成システムの構築
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- 評価に基づいた人材育成システムの構築を推進する。
- 教員評価システムの構築に取組み、ほぼ完成した。
- 5)広報活動の充実
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- 本学の社会的貢献、研究成果、医療貢献を積極的に学内外に発信するために広報部門の充実を図る。
- 社会的な問題が発生したときに対外的に対応できる広報体制を組織し、迅速に対処した。
- 6)青戸病院新築に向けての体制作り
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- 青戸病院の新築に向けて、青戸病院リニューアル・タスク・フォースを編成し、新しい青戸病院のコンセプトを作成した。
- 7)大規模災害の発生時の危機管理体制の構築
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- 西新橋校・附属病院合同防火災害対策委員会において大規模災害発生時の対策マニュアルを作成した。各機関においても当マニュアルを参考にして、大規模災害発生時の対策マニュアルを作成することにした。
- 8)IT化の推進
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- ITあり方検討会において、診療部門のIT化を推進するためにグランドデザインの再構築を検討している。
- 平成19年5月2日に附属病院オーダリングシステムを稼動させることを目標に具体的な準備を行った。
- 9)大学協力病院との連携強化
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- 地域医療の充実や教育のため大学協力病院との連携強化を目指したが、医師不足のため連携を推進することが困難であった。
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2. |
教育・研究に関する計画 |
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- 1)特色ある教育・研究の推進
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- 講座のあり方検討委員会の答申にそって、講座の一部改編および新設、名称変更などを実施した。
- 教育センターの体制が整い、医学教育、看護教育、卒後臨床研修、専門習得コースへの支援業務を開始した。
- 新しい体制となった大学院研究科委員会において、大学院教育カリキュラム、および研究指導体制、学位申請および審査方法の改善について検討し、平成19年度から実施することになった。
- 看護学科大学院修士課程の設置のため、看護学科大学院修士課程設置準備室を開設し、申請手続きの準備を開始した。
- 文部科学省平成18年「現代的教育ニーズ支援プログラム」に本学が申請した「卒前教育教材から生涯継続学習教材へ」が採択された。
- 2)卒前・卒後教育の改善
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- 看護学科のあり方と看護専門学校の統合・再編について検討し、看護学科の定員を40名に増員した。また、青戸看護専門学校を平成22年3月31日付で閉校することを決定した。
- 大学基準協会の評価で指摘された改善事項について中間報告書を作成し提出した。
- 初期臨床研修と専門習得コースのプログラムを改善し、ホームページに掲載して募集を推進する。
- GTK(英国)およびプロビデンス病院(米国)との教育交流の一環として講演会を開催した。
- 3)入学試験の改善
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- 医学科入学試験を平成19年1月28日(一次試験)に一本化した。このため、二次試験の面接は2月8日・9日・10日の三日間実施したが、特に混乱はなかった。
- 看護学科の定員を1学年40名に変更し、今回の入学試験から募集人員を40名とした。
- 4)教員組織の改定
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- 文部科学省による新しい教員組織(教授、准教授、講師、助教)の改定に向けて検討委員会を設置し、平成19年度から新教員組織となった。
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3. |
診療に関する計画 |
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- 1)医療安全管理の徹底
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- 医療安全管理室の機能を強化し、附属病院間で相互ラウンドを行うなど4病院間の連携を図った。
- 平成18年度も継続して医療安全管理に関するワークショップ、シンポジウム、医療安全週間を開催し、教職員の医療安全への意識を高めた。
- システム工学の視点から医療安全に取組むことにし、東京大学工学部と早稲田大学工学部との共同研究を開始した。
- 2)先進医療の推進
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- 患者ニーズに対応した先進医療を提供するため医療水準の向上を図り、新たな診断・治療技術の開発を推進する。
- 低侵襲的な手術を中心とした先進医療のトレーニングのための機構を作る。
- 3)患者サービス・病診連携の推進
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- 附属病院に患者支援・医療連携センターを設置し、患者中心の医療を推進した。
- 社会コミュニケーション強化のため積極的に広報活動を行った。
- 4)効率的な医療の推進
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- クリニカルパスの推進、看護支援システムの導入により治療の標準化を図り、安全で効果的な医療を提供する。
- 平成19年5月の附属病院オーダリングシステム導入に向けて準備を進めた。
- 医師、看護師、コメディカルの業務分担を見直すための検討を開始した。
- 学内横断的タスク・フォースの取組みを4附属病院に拡大し、収益力の強化と効率化に取組んだ。
- 5)青戸病院の新築準備と4附属病院機能分化
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- 成医会総会でのディスカッションとコンサルテーションの結果を踏まえて青戸病院新築計画を具体化するために、青戸病院リニューアル・タスク・フォースを組織し、検討を開始した。
- 6)予防医学の構築
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- 健診センターの組織を再編し、「総合健診・予防医学センター、新橋健診センター、晴海健診センター」を設置した。各病院の健診部門との連携を深め発展させるとともに、予防医学への取組みを進めることにした。
- 7)森田療法センターの開設
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- 森田療法を広く世界に発信するため第三病院に森田療法センターを開設することにした。
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