災害拠点病院
災害拠点病院とは災害拠点病院とは、国内において、地震・津波・台風・噴火等の災害発生時に災害医療を行う医療機関を支援する病院のことである。基幹災害拠点病院は各都道府県に原則1カ所以上、地域災害拠点病院は二次医療圏ごとに原則1カ所以上整備されることとなっております。平成28年7月現在、千葉県内では全22の医療機関が指定されており、その内3病院が基幹病院となっております。
柏病院の千葉県被災地支援について
関東地方を直撃した台風15号による対応として、慈恵医大柏病院は、危機的な状況に陥っている県内の医療体制を支えるため、DMAT(災害派遣医療チーム)を被災地に派遣するとともに、被災病院からドクターヘリ、自衛隊の協力を得て重症患者の受入れを行いました。
大規模災害対策訓練実施2019年6月に実施された大規模災害対策訓練
2019年6月30日(日)午前9時より、慈恵医大附属柏病院にて大規模災害対策訓練を実施しました。マグニチュード7.3震度6強程度の千葉県北西部直下地震が休日の朝に発生、多数の傷病者が来院したことを想定し、当院の医師、看護師、研修医、コメディカル、事務員、また、傷病者役として看護専門学生、行政機関や他医療機関からの参加者を含め総勢約220名での訓練となりました。管理当直医を本部長とし、災害対策本部を立ち上げ、建物の被害状況や入院患者の安全確認を中心とした情報収集、傷病者受入、トリアージポストや各治療エリアにおける治療の実施、さらに各エリアからの搬送訓練を行いました。当日は、雨天となり外来エントランスホールでのトリアージ実施となりましたが、休日に発生した災害時に何を行うべきか点検・検証を行い、防災に対する意識をさらに高めることができました。今後も災害拠点病院として傷病者受入体制の強化に取り組んで行きます。
<訓練実施説明会>
<災害対策本部訓練風景>
<トリアージ訓練風景>
<治療エリア訓練風景>
平成27年2月に実施された大規模災害対策訓練 <院内災害対策本部運営風景> <トリアージ・治療エリア風景> DMAT(災害派遣医療チーム)についてDMAT(Disaster Medical Assistance Team)とは、医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の職員)で構成され、大規模災害や多数傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームであり、全国の災害拠点病院の全てに整備が義務付けられております。
実際の災害派遣1.「平成27年9月関東・東北豪雨」による茨城県常総市水害 平成27年9月10日に茨城県常総市で発生した鬼怒川の堤防決壊による水害において、医師2名、看護師2名、業務調整員1名を現地に派遣、医師と看護師が同市水海道で1階部分が完全に浸水し診療機能が維持できなくなった2つの病院の入院患者の救出(病院避難)と搬送活動に従事しました。また、業務調整員は筑波メディカルセンターに設置された活動拠点本部の運営に加わり、茨城県災害対策本部と活動現場との間で、重要な調整業務を行いました。
2.「平成28年熊本地震」日本DMATロジスティックチーム派遣 4月14日・16日に発生した熊本県熊本地方を震源とする震度7の地震において、厚生労働省DMAT事務局は『日本DMATロジスティックチーム』の派遣を決定。16日の午前に厚生労働省DMAT事務局が選出した関東ブロックの隊員25名の中の1名として、柏病院の業務調整員(事務職員)が指名され、16日〜20日までの5日間、熊本県庁DMAT調整本部で活動し、主に診療継続が困難となった病院の患者避難(病院避難)における搬送調整等を行った。 <日本DMATロジスティックチームとは> 東日本大震災以降に組織された、日本DMATのインストラクター登録者のみが受講できるロジスティックチーム研修を受講した者で構成されるロジスティック(調整業務)に特化した専門とチームである。医師、看護師であっても診療業務を行うことはなく、本部運営や関係機関との調整業務を担うこととなる。また、ロジスティックチームが派遣されることとなったのは、今回の災害が初めてとなった。
[用語] 業務調整員:医師・看護師以外の医療職(薬剤師、放射線技師、検査技師 等)及び事務職員 |