皆様には、平素より東京慈恵会医科大学附属柏病院にご期待とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。2022年より病院長を務めております吉田博です。当院は、患者さんやご家族から信頼され続ける病院であることを目標に日々研鑚しております。
2019年に発生した新型コロナウィルス感染症は、世界的流行(パンデミック)をもたらし、地域医療の崩壊を経験するなど、私たちの生活にも多大な損害を与えました。2023年5月にその感染症法上の取扱いが2類相当から5類の感染症に引き下げられたとはいえ、昨年度も東葛北部医療圏の地域医療・救急医療体制への影響は依然として大きく、対応が難しい状況が続きました。 しかしながら、これまでに得た様々な知見とともに皆様との連携を図ることによって難局を乗り越え、活路を見出してまいりました。 今年度に入り、ようやく感染症流行の収束も見えてきたと感じております。 これを機に当院では、打撃を受けた病院機能を立て直し、入院患者の収容推進・手術件数の増加等をはじめ病院の再活性化を図り、地域医療支援病院として機能を発揮し役割を担ってまいる所存です。
東京慈恵会医科大学(慈恵医大)は、1881年に学祖・高木兼寛先生が開設した成医会講習所を起源としています。慈恵医大柏病院は、「病気を診ずして 病人を診よ」という大学建学の精神のもと、患者さんの立場に寄り添った全人的医療、「説明と同意」に基づいた安心・安全で質の高い医療を追求しております。この建学の精神は大学の理念であり、「患者さんの思いに応える教育・研究・医療」が活動方針の基本です。
慈恵医大柏病院の使命は、「“患者を診る”慈恵の心とともに、急性期医療を推進し地域に貢献する大学病院」であり、それは持続し進化を続けるビジョンでもあります。東葛地域やその周辺地域に貢献する基幹病院として急性期医療を実践するとともに、大学病院として研究の推進、教育を通じ優れた医療人の育成も重要な役割です。
当院は1987年4月、千葉県柏市より大学病院誘致の要請を受け、手賀沼を望む緑豊かな地に、慈恵医大4番目の附属病院として開設しました。西新橋の附属病院(本院)に次ぐ664の病床を有しており、29の診療科と13の中央診療部門を持ち、1,300人以上のスタッフが勤務しています。毎日平均1,300人の外来患者さんを受け入れ、年間約7,800件の手術を行い、2,000件の新規がん患者さんを登録し、6,500人の救急患者さん、4,000台の救急車を受け入れております。
これまでに当院は災害拠点病院、東葛北部地域難病相談支援センター、地域がん診療連携拠点病院、救命救急センター、エイズ治療拠点病院、地域医療支援病院等の指定を受け、多種多様な役割を担う大学病院に変革を遂げてきました。地域医療連携と急性期医療の推進とともに、医療安全と新興感染症対応を含む感染対策、ロボット支援手術をはじめとした各種先進的医療に取り組みなど、患者さんの健康のために役立つ医療に貢献してまいります。
柏病院は、スタッフ一同、「患者さんの思いに応える教育・研究・医療を!」を合言葉に、心ひとつに力を合わせて、「慈恵医大柏病院なら安心して診療を受けることができる」と思っていただける病院を目指して、地域に、患者さんに良質な医療を提供してまいります。
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