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先進医療


腹腔鏡下センチネルリンパ節生検(早期胃がん)

診療科

消化管外科

適応症

早期胃がん

料金

75,000円(非課税)

承認年月日

2015年1月30日

主な内容

【対象】
術前検査のCT検査などでリンパ節転移がない、長径4cmまでの早期胃がんの患者さん
【先進医療機関】
本治療は本学の倫理委員会で認可され、先進医療として東京慈恵会医科大学附属病院および東京慈恵会医科大学附属柏病院で受けることができます。
【理論背景】
センチネルリンパ節(SN)とは、がん病巣から直接リンパ流を受けるリンパ節のことで、がんのリンパ節転移が最初に起こる場所と考えられています。SNにがん細胞の転移がなければ他のリンパ節には転移していないと考えられ、余分なリンパ節を切除しなくてもいいということになります(SN理論)。すでに乳がんでは保険医療となり、生存率などの治療成績を損なうことなく、リンパ浮腫などの手術後遺症を減らすことが証明されています。
【早期胃がんに対する標準治療と縮小手術】
内視鏡治療適応でない早期胃がんの標準手術は、がんの部位によって噴門側胃切除、幽門側胃切除、幽門温存胃切除、また胃全摘が選択されています。それに加えて、リンパ節転移の可能性を考え、領域リンパ節の郭清(切除)が行われます。しかし、実際には早期胃がんではリンパ節転移がない場合も少なくありません。その場合、標準手術では患者さんにとって大きすぎる手術になってしまいます。そこで標準手術では過大手術となることが予測される患者さんを見つけ出し、縮小手術へと導く試みがSN生検です。なぜなら、胃を大きく切った患者さんが被るデメリットは小さくはないからです。胃全摘でなくても胃切除後は、少ししか食べられない、早く食べると苦しくなる、下痢をしやすくなるなどの直接的な消化障害にとどまらず、食後に動悸やめまいがするダンピング症候群や体重減少などの合併症が起こり、生活に支障を来たす患者さんは少なくありません。
【方法】
RI(アイソトープ)とICG(緑色色素)および赤外線腹腔鏡を用いてSNを同定します。SNにがんの転移を認めた場合には標準治療を行いますが、SNにがんの転移を認めない場合では、リンパ節郭清(切除)範囲を縮小するとともに、胃切除範囲も小さくして胃容量を温存する縮小手術を行います。
【過去の実績】
本先進医療前に施行された12施設400例以上を検討した臨床試験で、同対象患者さんに対してSNが見つかる率は97.5%、SN転移の正診率は99%という成績でした。つまり99%の正確性でセンチネルリンパ節を用いてがん転移の有無を判定できることが明らかになっています。慈恵医大の2施設でも総計350症例以上のSN生検が実施され、同等の成績を報告しています。

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