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地域がん診療連携拠点病院の役割


地域がん診療連携拠点病院
運営委員会委員長
三澤 健之



柏病院は平成20年2月に厚生労働省より地域がん診療連携拠点病院として認可されました。平成24年7月、全国に約390以上の施設が当院と同じように認定されています。
平成17年5月に開催された第1回がん患者大集会と平成18年3月19日開催の第2回がん患者大集会では、


  • 未承認薬の早期認可
  • 医療情報を容易にかつ最新のデータが得られるシステムの供給
  • がん診療の地域格差を是正
  • 緩和医療をどこでも容易に受けられるような医療システムの構築
  • がん専門医の不足の是正
  • チーム医療

などが強く要望されました。


これを受け、わが国のがん医療政策として初めて「がん患者さん」の要請で議員立法され国会で「がん基本法」が成立しました。これに伴い、「がん基本法」の施策を実行するシステムとしてがん診療連携拠点を通して、今後は国の行政によるがん医療が施行されるときには、がん診療連携拠点病院を介して行われることが決定されました。


がん診療連携拠点病院は都道府県ごとに一つの「都道府県がん診療連携拠点病院」を中心に二次医療圏に1施設の「地域がん診療連携拠点病院」が原則的に設置されました。このため全国には約390以上におよぶ地域がん診療連携拠点病院が新設されました。


柏病院は、千葉県東葛北部の地域がん診療拠点病院です。柏病院は従来から東葛北部地域のがん医療を国立がんセンター東病院と共に行っていましたが、地域がん診療拠点病院になって次の項目が変わりました。


  • がん拠点病院の周辺の医療機関や介護施設との連携強化
  • 薬局との連携で、どこでも質の高いがん医療を受けることができるように、地域の医療を変化させていく
  • 院内にがん相談窓口を設け、一般市民も容易にがん診療の情報が受けられるような体制確保
  • 緩和医療の専門家を育成し、在宅での緩和医療の普及に努める
  • 院内がん登録を構築して、院内のみならず地域のがんの正確な発生率を把握できるような体制確保

このように従来病院内で医療を行っていればよかったが、地域がん診療連携拠点病院に認定されたことで、皆と協力して地域の医療のレベルを上げるようにする役割を担うようになりました。この国の指針に沿って、柏病院は上記の設備を院内に設け、開かれた病院に改変するよう日々努力をしています。


また、地域がん診療連携拠点病院は、院内の禁煙が義務付けられており、柏病院も全面禁煙となっています。たばこは肺がんのみならず子宮頚がんなど様々ながんの発生に関与しており、がん予防の上では禁煙は大切な施策であり、地域がん診療連携拠点病院の「がん予防」の重要な義務の一つであります。
当院は質の高い地域がん診療連携拠点病院になるべく、病院をあげて取り組んでいます。



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