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■第三病院臨床研修医募集要項募集案内
診療部長
土橋 史明
血液・腫瘍内科一同

特色
1) 診療内容/教育
  主たる疾患は造血器腫瘍および非腫瘍性血液疾患です。
入院診療は、3名のスタッフが担当し、一日平均患者数20-21人を拝見しています。対象疾患は白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群など造血器腫瘍が9割以上を占めています。病棟には、無菌治療室3床を有し、ほぼフル稼働で急性骨髄性白血病患者や超高悪性度リンパ腫患者の治療に利用しています。外来診療は、診療部長、診療医長の3名があたり、対象疾患は、造血器腫瘍患者に加え、再生不良性貧血、溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病など非腫瘍性血液疾患も多く拝見しています。造血器腫瘍は初回の治療導入は入院が原則ですが、リンパ腫・骨髄腫などは、2回目以降は通院治療が可能となり、外来点滴センターを利用した抗腫瘍薬による併用化学療法を施行しています。
白血病およびリンパ腫・骨髄腫の治療では、全国規模の血液専門施設研究グループ(JALSG,JCOG等)に参加し、エビデンス構築に向けた治療を展開しています。当施設は、日本内科学会以外に、日本血液学会および日本臨床腫瘍学会の研修認定施設ですので、血液腫瘍内科医の教育に力を入れています。
部長回診は毎週木曜日、病棟看護スタッフを交えた温度版回診を毎週月曜日に行っています。
2) 医局行事
  毎週木曜日の夕方よりケースカンファレンスを主体とする医局会が開催され、研修終了時には、研修医による学会発表形式のCase Presentationを行っています。CPCは年1-2回行っています。
3) 研修終了後について
  血液学・血液腫瘍学の研鑽に向けて、専門習得コース(レジデント)を選ぶことができます。そこでは、レジデント3年目終了までに内科認定医を取得し、学外専門施設での研修を含めて、血液専門医を取得の指導をします。国内外に広い視野を有する血液内科医・血液腫瘍内科医の育成を目指しています。
4) 診療部長から一言
  血液疾患は全人的な診療が必須です。古くから「白血病患者さんをきちんと診療出来れば一人前の内科医」といわれています。優れた臨床家を目指して頑張って行きましょう。
カリキュラム指導医
   土橋 史明
カリキュラム副指導医
   武井 豊
カリキュラムの概略
1.  一般目標 (GIO)
  造血組織、造血のしくみ、造血幹細胞の生物学を理解し、造血器腫瘍および非腫瘍性血液疾患の病態を理解し、正しい診断と適切な治療を行う能力を習得する。
 
2. 行動目標(SBO)
  1)
医の倫理と医療の安全:下記(1)-(6)を理解し、これに基づく診療ができる。
(1)医の倫理、 (2)終末期医療の倫理、(3)説明と同意(informed consent)、(4)医療安全、(5)法的規制、(6)利益相反(conflict of interest)、(7)医療人としての規範。
2)
知識:下記(1)-(2)を習得し、これに基づく診療ができる。
(1) 形態,機能、病態生理: 造血臓器および血球の構造と機能、血液細胞の発生と分化、血漿蛋白、止血機序、(2)主要症候: 出血斑、リンパ節腫脹、肝脾腫。
3) 診察:全身リンパ節触診ができる。
4) 専門検査:下記(1)-(12)を理解し、これに基づく診療ができる。
(1)血算と赤血球指数(MCV,MCH,MCHC、)
(2)末梢血塗抹標本の作成と鏡検(白血球百分率と赤血球形態)
(3)骨髄穿刺,骨髄像
(4)細胞化学的検査(ペルオキシダーゼ,エステラーゼ,好中球アルカリホスファターゼ)
(5)造血必須物質測定(鉄,UlBC,フェリチン,ビタミンB12,葉酸)
(6)溶血に関する検査 (クームステスト,LDH,ビリルビン,ハプトグロビン,網赤血球)および、HAMテスト,シュガーウオーターテスト,赤血球浸透圧抵抗試験
(7)細胞表面抗原分析
(8)免疫血液学的検査(PAIgG)
(9)血漿蛋白検査(蛋白分画,免疫電気泳動)
(10)出血凝固系検査 [出血時間、毛細血管抵抗試験、血小板機能検査、凝固能の検査(プロトロンビン時間,活性化部分トロンボプラスチン時間)、各凝固因子定量、線溶活性の測定、FDP定量,D-ダイマー,TAT]、
(11)染色体検査,分子生物学的検査
(12)リンパ節生検
5) 下記の治療法の理論的背景と禁忌を理解し、その有害反応、合併症を熟知したうえでこれに適切に対応することができる。
(1)生活管理と指導(特に白血球減少時)
(2)食事療法(血液疾患に関する食事療法)
(3)血液疾患の薬物療法(分子標的薬を含む種々の抗腫瘍薬を用いた化学療法、鉄剤、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6などの補充療法、副腎皮質ステロイド薬やシクロスポリンなどの免疫抑制薬、鉄キレート薬、抗血栓療法、など)
(4) 輸血療法(成分輸血、血液製剤と血漿分画製剤)
(5)特殊療法:造血幹細胞移植療法、摘脾、血漿交換、放射線療法、髄注
(6) 無菌管理
(7) 感染症の管理・治療
(8) 治療効果の判定、予後因子
6) 症例経験:自ら経験すべき症例
(1) 赤血球系:出血性貧血、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血
(2) 白血球系:急性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖症候群(多血症、本態性血小板血症、骨髄線維症)、悪性リンパ腫、組織球増殖症/血球貪食症候群、多発性骨髄腫
(3) 血栓止血疾患:DIC、特発生血小板減少性紫斑病(ITP)
7) 特定の医療現場の経験
(1) 緊急医療:Oncologic Emergency (腫瘍崩壊症候群、DIC、高カルシウム血症、乳酸アシドーシスなど)の病態を理解し、正しく診断・評価でき、迅速な対応ができる。
(2) 輸血療法:輸血製剤の適応を理解し、患者に説明し、適切な血液製剤を選択できる。成分輸血の意義を理解し、必要十分な輸血量を決定し、実施することができる。輸血における有害反応を理解し、適切に対応できる。
(3) 造血幹細胞移植療法:同種および自家骨髄移植や末梢血幹細胞移植、あるいは、臍帯血移植の適応を理解し対応できる。
(4) 緩和ケアと終末期ケア:これらのケアを必要とする患者および家族と良好なコミュニケーションを取り、全人的なケアに対応できる。疼痛およびその他の症状の適切なコントロールができる。医療チームとして患者・家族のQuality of Life(QOL)を尊重した治療ができる。臨終の立ち会いを経験し、死後の法的処置を確実に行うことができる。
(5) 臨床試験について理解し、適切な対応ができる。
(6) 院内がん登録を理解し、適切な対応ができる。

3.  評価方法
  診療における知識・技能・態度を総合的に評価し、研修終了時のCase Presentationで理解度・修得度を総括評価する。
 
 

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