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血液・腫瘍内科
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■第三病院初期臨床研修医募集要項募集案内
診療部・科
血液・腫瘍内科
カリキュラム指導医
溝呂木 ふみ
カリキュラム副指導医
島田 貴
カリキュラムの概略
患者への情報公開の徹底に基づくEBMを理解したうえで研修を行う。血液・腫瘍内科では造血器悪性腫瘍患者が入院患者の80〜90%占めるため、患者の迅速で的確な一般状態・病態生理の把握、よりよい患者―医師関係・患者家族―医師関係の構築が必要となる。これをふまえ、研修では効率のよい診察・検査、適切な治療法へのアプローチ・治療評価、患者および患者家族への説明と同意の実践の修得が主眼となる。
1. 一般目標 (GIO)
  各種血液疾患(血液造血器腫瘍、非腫瘍性疾患)の病態を理解し、正しい診断と適切な治療を行う能力を習得する。
2. 行動目標 (SBO)
 
1) 血液・造血器の形態と機能、主として血液疾患(造血器腫瘍、非腫瘍性疾患)の病態生理を理解し、診断への手順・治療計画を独自で作成することができる。
2) 下記の各種検査、画像診断、細胞・組織診断の意義と適応をよく理解し、その成績を判読できる。
末梢血液所見(白血球数、赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット、血小板数、赤血球指数、網赤血球数、白血球分画)
止血・凝固・線溶検査
溶血に関する検査
生化学検査(免疫グロブリンなど)
腫瘍マーカー検査
末梢血液塗抹標本作製とその判読
骨髄穿刺および生検手技と標本(Wright-Giemza染色あるいはMay-Giemza染色、特殊染色)の判読
骨髄およびリンパ節の染色体検査、細胞表面マーカー検査、分子生物学的検査の判読
血液・造血器関連の画像検査(胸・腹部単純X線検査、骨X線検査、CT、超音波検査、Gaシンチグラム、骨髄シンチグラム、骨シンチグラム、MRIなど)
3) これらにより適切な鑑別診断を行い、正しい確定診断に基づいた治療法を選択できる。
4) 下記の治療法の理論的背景と禁忌を理解し、その有害反応、合併症を熟知したうえでこれに適切に対応することができる。
生活指導と管理(特に白血球減少時)
食事療法;生禁食、無菌食
薬物療法 抗癌剤を用いた化学療法、鉄剤、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬、抗凝固薬、サイトカイン製剤(IFN、G-CSFなど)、分化誘導療法、分子標的治療薬
放射線療法
輸血療法;赤血球輸血(赤血球MAP、洗浄赤血球)、血小板輸血、凍結血漿など
造血幹細胞移植;末梢血幹細胞移植、自家骨髄移植、同種骨髄移植、臍帯血移植
脾摘
3. 自らが経験すべき(自らが患者の診療・鑑別診断を行い、初期治療に参加すべき)事項
 
A. 診察法・検査・手技
1) 身体診察法の修得
  全身状態 (Performance Status, PS )の評価、表在リンパ節の触診、腫瘤の触知、肝臓および脾臓の触診、胸・腹水、出血傾向(点状出血、紫斑、粘膜下出血)の診察
2) 各種検査の意義と適応の理解、結果の判読
 
末梢血液所見、止血・凝固・線溶検査
末梢血液塗抹の標本作製と血液像
骨髄穿刺ならびに骨髄生検、骨髄像
染色体検査、細胞表面マーカー、分子生物学的検査
画像診断(胸・腹部単純X線検査、骨X線検査、CT、超音波検査、Gaシンチグラム、骨髄シンチグラム、骨シンチグラム、MRIなど)
B. 症状・病態・疾患
1) 頻度の高い症状・病態
  貧血(小球性、正球性、大球性)、造血器腫瘍に伴う発熱およびリンパ節腫脹、血小板減少に伴う出血傾向、血液疾患に伴う肝脾腫、溶血性貧血に伴う黄疸、造血器腫瘍・造血障害(再生不良性貧血、薬剤など)による血球減少、造血器腫瘍・骨髄増殖性疾患による血球増多
2) 緊急を要する症状・病態
  造血器腫瘍・感染症に伴うDIC、腫瘍融解症候群、造血器腫瘍に伴う高カルシウム血症及び乳酸アシドーシス、血小板減少・凝固線溶異常に伴う出血傾向、白血球減少に伴う感染症、腫瘍による圧迫症状(中枢神経、気道、尿路)
3) 経験が求められる疾患・病態
  貧血(鉄欠乏性貧血、溶血性貧血*、巨赤芽球性貧血*、二次性貧血)、急性白血病、悪性リンパ腫、各種疾患に伴うDIC、特発性血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血*、赤芽球癆*、骨髄異形成症候群*、薬剤性造血障害*、多発性骨髄腫*、骨髄増殖性疾患*(慢性骨髄性白血病、真性多血症、本態性血小板増多症、骨髄線維症)、慢性骨髄性白血病の急性転化*、ウィルス性肝炎(B型、C型)合併の造血器腫瘍*、血球貪食症候群*
C. 特定の医療現場の経験
1) 救急医療
Oncologic emergency(DIC、腫瘍融解症候群、高カルシウム血症、乳酸アシドーシス等)の病態を理解し、正しく診断・評価でき、迅速に対処できる。
2) 輸血療法
血液製剤の適応を理解し、患者に説明し、適切な血液製剤を選択できる。
成分輸血の意義を理解し、必要十分な輸血量を決定し、実施することができる。
輸血における有害反応を理解し、適切に対処できる。
3) 抗癌剤を用いた化学療法
抗癌剤の作用機序、効果、有害反応などについて、正確な知識をもち、かつ確実に投与できる。
抗癌剤の血管外漏出に対して、適切に処置することができる。
適切な支持療法を行うことができる。
4) 造血幹細胞移植
造血幹細胞移植(末梢血幹細胞移植、骨髄移植、臍帯血移植)の適応を理解し、対応できる(現在、当科では造血幹細胞移植は行っておらず、他院へ依頼している)。
5) 緩和・終末期医療
緩和医療、終末期医療を必要とする患者およびその家族とよいコミュニケーションをとり、全人的に対応することができる。
コメディカルと協力し、Quality of Life(QOL)を尊重した治療ができる。
臨終の立会いを経験し、死後の法的処置を確実に行える。

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