近年、論文だけではなく、関連する研究データも公開・共有するオープンサイエンスの取り組みが普及しつつあります。研究データの公開・共有は、研究成果の再利用性を高め、研究活動の効率化を向上させるとともに、研究公正の担保にもつながるとして関心がもたれています。
学術情報センターでは、本学における研究データ管理の今後のあり方について考えるために、標記セミナーを企画しました。本セミナーでは、大学における研究データ管理に関する講演のほか、粗悪雑誌への対応例についての報告を行ないました。
学術情報センターでは、本学における研究データ管理の今後のあり方について考えるために、標記セミナーを企画しました。本セミナーでは、大学における研究データ管理に関する講演のほか、粗悪雑誌への対応例についての報告を行ないました。
日時: 平成31年 (2019年) 1月15日(火)17:30-18:30 →終了しました
場所: 大学1号館17階カンファレンスC・D
プログラム:
17:30-18:20
講演 研究データ管理と大学 〜現状と課題〜
国立情報学研究所オープンサイエンス基盤研究センター 特任研究員 尾城 孝一 氏
18:20-18:30
報告 粗悪雑誌への対応について
学術情報センター 担当者
■講演 研究データ管理と大学 〜現状と課題〜
概要
近年、論文だけではなく関連する研究データやソフトウェアなども社会的に広く、公開・ 共有するオープンサイエンスの取り組みが活発化しています。研究データの公開・共有は、研究成果の再利用性を高め、研究の効率化を向上させるとともに、研究公正の担保にもつながります。こうしたオープンサイエンスの有効性を具体化するためには、研究者による 日々の研究データ管理 (RDM: Research Data Management) が必要になってきます。国立情報学研究所では、政府や学術機関からの要請を受けて、研究活動中に生成されるさまざまなデータを管理・公開・検索する基盤の整備、および研究データ管理を支える人材育成のためのオンライン教材の開発を通じて、全国の大学や研究機関と共に、日本のオープンサイエンスの展開に貢献しているところです。本セミナーは、オープンサイエンスの推進および研究公正の確保にとって不可欠なRDMの現状と課題について共通認識を形成し、RDMに関わるさまざまなステイクホルダーと共に、大学における今後のRDMのあり方について議論する機会とします。
■報告 粗悪雑誌への対応について
粗悪学術雑誌への投稿を回避するには1つだけでなく、複数項目で確認するようにしてください。
(1) 一定の評価基準で選別された雑誌である(2) 発行元の出版社が、次の団体に加盟している
- MEDLINEの収録誌
MEDLINEとは、世界中の雑誌約5,600タイトルの文献を検索できる医学文献データベース。
PubMedは、MEDLINEを含む医学関連分野の代表的なデータベース。
- NLM Catalog: Journals referenced in the NCBI Databases https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nlmcatalog/journals
- JCR (Journal Citation Reports) やScopusの収録誌
https://jcr.clarivate.com/ (学内のみ)
https://www.scopus.com/sources.uri?zone=TopNavBar&origin=sbrowse- DOAJ (Directory of Open Access Journals) の収録誌
https://doaj.org(3) 投稿する際の参考サイトでチェックする
- OASPA(Open Access Scholarly Publishers Association)
https://oaspa.org- Committee on Publication Ethics (COPE) (出版倫理委員会)
https://publicationethics.org/membership
- Think, Check, Submit (日本語版)
http://thinkchecksubmit.org/translations/japanese/- World Association of Medical Editors(WAME): Identifying Predatory or Pseudo-Journals
http://www.wame.org/identifying-predatory-or-pseudo-journals- ICMJE (International Committee of Medical Journal Editors) “Fake,” “Predatory,” and “Pseudo” Journals: Charlatans Threatening Trust in Science
http://www.icmje.org/news-and-editorials/fake_predatory_pseudo_journals_dec17.html