教授 |
岡野 ジェイムス洋尚 (所長・兼任)
渡部 文子 (副所長・専任)
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講師 |
河野 緑 (臨床検査医学講座より出向)
森島(髙田) 美絵子(特任)
伊藤 正紀(特任)
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助教 |
永瀬 将志
永嶋 宇 |
ポスドク |
遠山 卓
日吉 加菜映 |
一般研究員 |
(50音順で掲載)
郡司 久人
小井戸 薫雄
佐々木 敬
佐藤 亮
鈴木 亮平
田中 俊英
戸根 一哉
平石 千佳
政木 隆博
溝渕 圭
吉田 博
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訪問研究員 |
松井 貞子
上野 耕平
安松 啓子
石田 綾
清水 知
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研究実習生 |
江崎 未来 大隅 麟 |
研究技術員 |
青木 正隆
湯本 陽子
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その他 |
[特別研究員]
有馬(吉田) 史子
[研究補助員]
柴原 和子
湯淺 愛美
小松 真理子
鈴木 恵美
古矢 直己
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柏キャンパスにある臨床医学研究所は、国領キャンパスの高次元医用画像工学研究所と並び慈恵医大が持つ二つの研究所のうち一つであり、2000年4月に設立されて以来、臨床医学の基礎となる学際的研究を展開する教育研究機関として重要な機能を担う。特に、本学が目指す理想の医療である「優れた研究に裏付けられた患者中心の最高最善の医療」を柏附属病院で実践するために必要な臨床医学研究を推進することを主たるミッションとする。さらに基礎研究の成果を臨床に実用化させる橋渡し研究を念頭におき、難治性疾患の病因解明や診断・治療に結びつく先端的な医学研究に貢献することを使命としている。
現在、臨床医学研究所において行われているテーマとしては、高次脳機能の制御メカニズムとその破綻としての精神疾患に関する基礎研究、代謝疾患や循環器疾患、生活習慣病などのいわゆるNon-communicable diseases (NCDs)の病態解明や診断・治療法に関する研究、消化器疾患に関連する腸内細菌研究などがある。例えば、ストレスに伴う気分・不安障害や快情動の欠落(アンヘドニア)は患者のQOLを顕著に低下させ、その改善は現代のストレス社会においても最重要課題といえる。本研究所ではこのような「脳とこころの問題」に対し、遺伝子改変動物や各種改変ウイルスベクターといった最先端技術を駆使することで、認知・記憶から情動、意思決定まで広く適応的行動を支える高次脳機能に迫ることを目指している。また、糖尿病研究としてはモデルマウスを使って治療薬メトホルミンによる生体機能制御と腸内細菌叢変化の研究、糖尿病合併症におけるバイオマーカー探索と発症機構に関する研究、酸化ストレスと代謝障害に関する細胞内・細胞間分子ネットワーク機構の研究などを展開している。
当研究所では臨床医学との間を橋渡しする研究・教育のため、医学以外の多くの分野、例えば工学、薬学、臨床検査医学、看護学といった職種間での連携も展開しており、大学院レベルの研究教育活動の場も提供している。
当研究所はP2レベルのバイオハザード対策に対応した研究設備を持ち、また7階には約3,000匹の動物の収容が可能な実験動物飼育施設が併設されている。これは平成13年3月竣工されたもので、総合医科学研究センター臨床医学研究所に所属する高度な研究施設となっている。
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医学科3年生の研究室配属、6年生の選択実習、ユニット医学研究の場として随時医学生を受け入れている。 |
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分子行動科学をはじめ医学研究科のどの細目にも対応する。また東京大学、東京理科大学、慶應義塾大学、東京都医学総合研究所、東京歯科大学、日本女子大学、積水メディカル(株)などから大学院生や研究員を受け入れている。 |
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この研究所に集う誰もが科学的誠実さを持ち、研究から得られた成果を真摯に考察して臨床に応用すると共に、臨床現場で感じた疑問点を実験の中から解決の糸口を探求できるような場を提供したい。さらに、研究所に集う仲間と「研究のおもしろさ、醍醐味」を共有し、問題解決能力を醸成する教育研究機関として、広く研究者を受け入れている。 |
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渡部 文子: |
行動科学(医学科3年生)
基礎医科学Ⅱ(医学科2年生)
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大学院ガイド授業細目
・神経・感覚機能病態・治療学 分子行動科学(57ページ)
・臨床医学研究所(96ページ) をご参照ください |
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渡部 文子: |
- 正負の情動を生み出す扁桃体神経回路の可視化と操作
- 環境やストレス、経験に依存した情動価値の変容とその神経回路メカニズムの解明
- 遺伝子改変動物や改変ウイルスベクターを用いた分子・細胞種特異的な神経回路操作
- シナプス可塑性を人工的に操作誘導するための革新的技術開発
- 味覚情動と摂食行動の相互作用とその神経回路基盤
- 認知症モデル動物における超早期シナプス機能変容の解明
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一般研究員の研究テーマからの抜粋: |
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- 膵臓癌の樹状細胞ワクチンの開発
- 消耗性疾患における生体ガス(呼気、皮膚ガス)の分析と新規の疾患バイオマーカー
- 緑内障に対する濾過手術後の癒着の予防を目的とした特殊な医療材料の眼科手術への応用
- PD-L1による腫瘍抗原WT1発現制御機構の解
- 膵臓がん患者の腸内細菌叢と抗腫瘍効果の関連
- 糖尿病合併症リスク因子における大血管症と小血管症の関連性
- 真菌特異性メラニンを認識する新規C型レクチン受容体(MelLec)を介した喘息の病態解明
- 転写因子Nrf2による炎症抑制メカニズムの解明
- 膵・胆道癌患者における細菌叢の影響
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渡部 文子:【原著論文・総説・訳書】
- Hamada S., Mikami K., Ueda S, Nagase M., Nagashima T., Yamamoto M., Bito H., Takemoto-Kimura S., Ohtsuka T., and Watabe A.M. Experience-dependent changes in affective valence of taste in male mice. Molecular Brain 16(1):28, 2023.
- Abe M., Nakatsukasa E., Natsume R., Hamada S., Sakimura K., Watabe A.M., and Ohtsuka T. A novel technique for large‐fragment knock‐in animal production without ex vivo handling of zygotes. Scientific reports 13(1):2245, 2023.
- Nagashima T., Tohyama S., Mikami K., Nagase M., Morishima M., Kasai A., Hashimoto H., and Watabe A.M. Parabrachial-to-parasubthalamic nucleus pathway mediates fear-induced suppression of feeding in male mice. Nature Communications 13(1):7913, 2022.
- Tsunogai, T., Ohashi, T., Shimada, Y., Higuchi, T., Kimura, A., Watabe A.M., Kato F., Ida H., and Kobayashi H. Hematopoietic stem cell gene therapy ameliorates CNS involvement in murine model of GM1-gangliosidosis. Molecular Therapy Methods & Clinical Development 25:448-460, 2022.
- Ito M., Nagase M., Tohyama S., Mikami K., Kato F. and Watabe A.M. The parabrachial-to-amygdala pathway provides aversive information to induce avoidance behavior in mice. Molecular Brain 14(1):94, 2021.
- Hamada, S., Nagase M., Yoshizawa, T., Hagiwara, A., Isomura, Y.*, Watabe A.M., Ohtsuka, T.* An engineered channelrhodopsin optimized for axon terminal activation and circuit mapping. Communications Biology 4(1):461, 2021.
- Miwa, S., Watabe A.M., Shimada, Y., Higuchi, T., Kobayashi, H., Fukuda, T., Kato, F., Ida, H., Ohashi, T. Efficient engraftment of genetically modified cells is necessary to ameliorate central nervous system involvement of murine model of mucopolysaccharidosis type II by hematopoietic stem cell targeted gene therapy. Molecular Genetics and Metabolism 130(4):262-273, 2020.
- Matsumura, K., Seiriki, K., Okada, S., Nagase M., Ayabe, S., Yamada, I., Furuse, T., Shibuya, H., Yasuda, Y., Yamamori, H., Fujimoto, M., Nagayasu, K., Yamamoto K., Kitagawa, K., Miura, H., Gotoda-Nishimura, N., Igarashi, H., Hayashida, M., Baba, M., Kondo, M., Hasebe, S., Ueshima, K., Kasai, A., Ago, Y., Hayata-Takano, A., Shintani, N., Iguchi, T., Sato, M., Yamaguchi, S., Tamura, M., Wakana, S., Yoshiki, A., Watabe A.M., Okano, H., Takuma,K., Hashimoto, R., Hashimoto, H. & Nakazawa, T. Pathogenic POGZ mutation causes impaired cortical development and reversible autism-like phenotypes. Nature Communications 11: 859, 2020.
- Nagase M., Mikami, K., and Watabe A.M. Parabrachial-to-amygdala control of aversive learning. Current Opinion in Behavioral Sciences 26: 18-24, 2019.
- Shinohara, K., Watabe A.M., Nagase M., Okutsu, Y., Takahashi, Y., Kurihar,a H., Kato, F. Essential Role of Endogenous Calcitonin Gene-Related Peptide in Pain-associated Plasticity in the Central Amygdala. European Journal of Neuroscience 46: 2149-2160, 2017.
- Watabe A.M., Nagase M., Hagiwara, A., Hida, Y., Tsuji, M., Ochiai, T., Kato, F., Ohtsuka, T. SAD-B Kinase regulates presynaptic vesicular dynamics at hippocampal Schaffer collateral synapses and affects contextual fear memory. Journal of Neurochemistry 136: 36-47, 2016.
- シナプス可塑性と情動記憶,遠山卓, 渡部文子 ,生体の科学,74巻,72-77,2023
- 細胞内シグナル伝達系の光操作による革新的シナプス可塑性介入技術の研究開発,永瀬将志,渡部文子,生体の科学,73巻,442-443,2022
- 柏の豊かな自然に囲まれながら脳とこころの生理学に迫る, 渡部文子 ,実験医学,40巻,2184-2186,2022
- 渡部文子 味覚による快・不快情動の制御機構 (Neuronal circuits in the mammalian gustatory system) 日本味と匂い学会誌 特集号 24, 2, 81-86, 2017
- 渡部文子 スタンフォード神経生物学 Principles of Neurobiology、Liqun Luo著、第8章 運動系と制御系(翻訳)、柚崎通介 岡部繁男 監訳、メディカルサイエンスインターナショナル、2017
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渡部 文子:
- JSTさきがけ研究 「脳情報の解読と制御」 (代表)
- 文部科学省新学術領域研究「記憶ダイナミズム」(代表)
- 文部科学省新学術領域研究「マイクロ精神病態」(代表)
- 日本学術振興会基盤研究(C) 「扁桃体神経回路制御の可視化とその生理的意義」 (代表)
- 文部科学省新学術領域研究「個性創発脳」(代表)
- 科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業CREST「シナプス光遺伝学を用いた脳領域間シグナル伝播機構の解明」(分担)
- AMED革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト 「細胞内シグナル伝達系の光操作による革新的シナプス可塑性介入技術の研究開発」(代表)
- 文部科学省新学術領域研究 「スクラップ&ビルドによる脳機能の動的制御」(代表)
- 日本学術振興会基盤研究(B) 「代謝制御を介した食行動と味覚情動の相互作用」(代表)
- 日本学術振興会基盤研究(B) 「食調整の乱れと嗜癖を生む高カロリー味覚情報機構の解明」(分担)
- 科学技術振興機構ムーンショット型研究開発事業2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現 「臓器連関の包括的理解に基づく認知症関連疾患の克服に向けて」(分担)
- 日本学術振興会挑戦的研究(萌芽) 「無意識の記憶を制御する神経メカニズムの解明」(代表)
- 日本学術振興会基盤研究(B)「脳ー身体連関を介した代謝制御による摂食行動と味覚情動の相互作用」(代表)
森島 美絵子:
- 文部科学省新学術領域研究 「脳情報動態を規定する前頭皮質局所回路構造」(分担)
- 日本学術振興会基盤研究(B) 「経験による大脳抑制性ニューロンの形態形成と機能分化メカニズムの解析」(分担)
- 日本学術振興会基盤研究(C) 「逃避/攻撃行動のスイッチングに関わる神経回路について」(代表)
- 科学研究費助成事業学術変革領域研究(A) 「行動変容を導く皮質-皮質下相互作用」(分担)
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渡部 文子:
- 日本神経科学会 学会機関誌 Neuroscience Research Deputy Editor-in-Chief
- 日本神経科学会 ダイバーシティ対応委員会 委員長
- 日本神経科学会 奨励賞選考委員会 委員長
- 日本生理学会 評議員
- 日本生理学会 監事
- 日本生理学会認定 生理学エデュケーター
- AMED疾患基礎研究事業部脳とこころの研究推進プログラム 課題評価委員
- AMED疾患基礎研究事業部脳とこころの研究推進プログラム プログラムオフィサー
- JST さきがけ研究「生体多感覚システム」領域アドバイザー
- JST 創発的研究支援事業 評価委員
- 日本学術会議 連携会員(第25期)、神経科学分科会 幹事
- 次世代脳プロジェクト実行委員
- 脳の世紀推進会議評議員
- 文部科学省 科学技術・学術政策研究所 専門調査員
- 加藤バイオサイエンス記念振興財団選考委員
- 山田科学振興財団選考委員
- 日米科学技術協力事業「脳研究」分野 研究計画委員会委員
- 井上科学振興財団 選考考委員会委員
- Frontiers in Behavioral Neuroscience, Editorial Board
- eNeuro, Editorial Board
- ALBA network, Ambassador
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渡部研究室
http://watabe-lab.jp/ |
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